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カテゴリ: 怪獣関連

ご無沙汰しております。

長い間ブログを放置しておりまして、誠に申し訳ございませんでした。
これというのも、僕が最近になって始めましたTwitterに凝り出しました為です。
簡単に情報発信出来ます気軽さから、どうにもブログが疎遠になってしまいました。
これではいけないと奮起しまして、ブログを再開させます。
気軽な呟きとは違う内容の濃い情報量で勝負しますので、皆様引き続きよろしくお願いします。



コロナウィルスに侵食される少し前の今年初め、世間では東京オリンピック開催予定の2020年を祝っておりました。
その頃、僕は当ブログでケムール人の特集を組んでおりました。
そこで大変ご熱心な書き込みがございました。
僕と同年代と思しきお方で、いくろうさんの発言です。
ウルトラQに始まる怪獣ブームの体験者でありますいくろうさんが、当時の思い出を語られました。
リアル体験者の証言は実に重みのある貴重証言でして、読んでいる僕までもが思わず正座してしまいそうな程の内容でした。

その中で。少年マガジンに掲載されておりました怪獣記事内での五次元宇宙人なる怪人に関しましてのご質問がございました。
それを取り上げさせていただきます。




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週刊少年マガジン 昭和41(1966)年51号表紙



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同誌巻頭特集記事 66年版ウルトラ怪獣事典
構成 大伴昌司



昭和41(1966)年といえば、まさに怪獣ブームが巻き起こった年でした。
ウルトラQの放送に始まり、ウルトラマンの活躍、マグマ大使や悪魔くんも登場して、様々な怪獣達が世間を圧巻しました。
当時小学校一年生でした僕も夢中で怪獣に入れ込んでおりました。
それが今でも続いています^^。

こちらの特集ではそれら怪獣達が映画テレビを問わず取り上げられており、何とも豪華絢爛な内容です。
その中でも一つ目宇宙巨人等の異色海外怪獣が紹介されていました。
いくろうさんは子供の頃にこの記事で見ました、五次元宇宙人なる正体不明の怪人に関しましてご質問されました。
小さい頃にこの雑誌特集記事で見た記憶がおありというのですが、何のキャラなのかが不明だという事でした。



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雑誌を調べましたら、確かに載っておりました。
闇に浮かぶ不気味な顔が、何とも形容出来ない怖さです。

具体的にどこのキャラか明記されておりませんので、これが一体何なのか謎でした。
調べてみましたら、これは海外SFドラマ「宇宙家族ロビンソン」(1965~1968年 アメリカ)に登場した宇宙人でした。
第一期モノクロシリーズのエピソードに、それと思しき題名があります。
第8話「第五次元の侵入」です。
彼らが人類にとってどの様な脅威なのかは不明ですけれども、ムンクの絵の様な不気味さです。
これを幼少期に見たら、その印象は強烈でしょう。

これで謎がひとつ解けましたが、SF怪獣世界は何とも広いです。
まだまだ未知の存在が沢山あります。
僕も未熟者でした。



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いくろうさん、どうも有り難うございます。
これからもこちらのブログをよろしくお願いします。
最後は怪獣トランプのケムール人で締めくくります。

先日の8月3~9日迄の期間、東京は秋葉原駅構内でゴジラショップが開催されておりました。

ソフビ玩具にゴムマスクにソーラー人形、扇子にシャツに手帳、レトルトカレーにお菓子といった商品が陳列販売されました。

売り場の傍らに、実際の着ぐるみを型取りして作ったという巨大なゴジラが展示されていました。
これは昨年のゴジラストア出店でもお目にかかりました。
コロナ騒動で停滞気味のこのご時世に、活気を呼ぶかの様に今再びのゴジラ出現です。

秋葉原は僕の通勤途中駅ですので、朝晩可能な限りこの巨大なゴジラを撮影して参りました。
その雄姿をお目にかけます。




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映画で見ました映像のゴジラとはやや印象が異なり、若干細身の印象でした。
これは型取り工程でそうなったのでしょうか。
巨大ではありますが全体に引き締まった感じで、精悍で恰好よかったです。



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全体もいいのですけれども、アップ撮影は迫力があります。
ゴジラを前に朝晩の幸せを感じられます。
至福と奇跡の時間でした。



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写真撮影は自由でしたが、手を触れないでくださいとの事でした。
普段は見られないアングルからの撮影に挑んでみました。



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ショップではいろいろな品物が販売されておりましたが、その殆どが最近の海外版や平成シリーズが中心でしたので、僕の様な昭和シリーズファンにはいまいちな感じでした。

そこで唯一お気に入りの初代ゴジラのキーホルダーを買いました。
小さいけれどもよく出来ていまして、背鰭がリアルです。




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秋葉原駅のゴジライベントですが、一週間続いた後に別の展示販売企画に入れ替わりました。
巨大ゴジラも撤収されまして、今現在では兵どもが夢の跡です。
諸行無常のゴジラ跡地です。




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毎日の通勤時間帯を楽しませてくれましたゴジラには感謝感激です。
ゴジラよ有り難う、また会う日まで!


先日ブログ公開しましたレッドキングのソフビ彩色ですが、おかげさまで仲間内でもかなりの話題になりました。

大変嬉しくなりましたので、レッドキング関連の紹介を続けさせていただきます。




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高山良策 造形ソフビ

怪獣造形の名人 高山良策氏が、晩年に制作しましたミニチュア怪獣造形のレッドキングを、縮尺モデルで再現しましてソフビ化した物です。

高山氏の造形記録を収録しましたセット売りのDVD 「怪獣のあけぼの」に付属しておりましたソフビモデルです。
大変表現豊かな形で、レッドキングが作られています。
この他に、カネゴンの縮尺モデルソフビが付属しましたバージョンのDVD売りもありました。

僕はレッドキング付属のDVDとソフビを、それぞれ別々に知人達からいただきました。

大分昔に、この元となりました高山氏の縮尺モデルを原型としまして、バンダイからリアルホビーとして発売される話も出ていましたが、残念ながら未発売に終わりました。
それですので、この再現ソフビは嬉しいです。



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成田亨先生の描きました、現代芸術社の怪獣カードのレッドキングです。
自ら撮影されました写真を元に描かれました、迫力の作画です。
必殺無敵の空手チョップ!
格好いいです。



こうしてみますとレッドキングは、形のよさに加えまして、その狂暴でありながらもユーモラスなキャラクター性が親しまれております、まさしく名怪獣です。
これからも怪獣の代表としまして、時代を超えて存在して欲しいと思います。


バンダイの怪獣ソフビのレッドキングを、自分なりに塗装してみました。
多少小さめなサイズでして、2013年度製で現行品だと思います。
江古田のナイトバザールで、コスモナイトαさんの店頭売りされていたものを買いました。

大変リアルな造形で、まるで劇中に登場する姿そのものといった感じです。
この造形に見合った彩色を施してみました。



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一旦本来の塗装をソフビ用の溶剤で落としましてから、新たに彩色を行いました。 
基本成形色はブルーでした。

水色を全体に噴き付けまして、その後から肌色の混じった白をやや斜めから噴きました。
初めに噴いた水色を部分的に残す為です。

それでも上手くまとまらないので、噴き付けで出来る所までいきました後、筆塗りで全体を仕上げていきました。
水色を段々の皮膚の溝に流し込んで、肌色白で馴染ませながら仕上げていくのです。
まるで絵を描いている様な感じです。

マウントゴリラ等のソフビ彩色作業の合間に、少しずつ行っていきました。
完全に自分趣味ですので、かなりの時間がかかりました。
ようやく完成しました時は、嬉しかったです。
人からの依頼品ではなく、自分だけの楽しみですので。



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彩色で苦労しましたのは、全体の配色バランスです。
どうしても青色部分がうるさくなってしまうのです。
そこで、肌色白を馴染ませる様に常々心掛けました。
完全とはいきませんが、それなりに仕上がったと思います。



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完成後、嬉しかったので調子に乗りまして、岩まで作ってしまいました。
発泡スチロールを適度な大きさに削りまして、木工ボンドと片栗粉を7対3の割合で混ぜたものを、全体に塗りました。
これが乾きましたら、プラモデル用塗料で彩色しました。
全体をボンド皮膜が覆っておりますので、安心です。

何だか岩というよりは、甘納豆みたいになりました。
この作業方式は、模型制作仲間のBOSSさんから教わりました。
大変有り難い技法をお伝えくださり、有り難うございます。

完成後に、甥っ子(下の弟の方)が、この岩をトンカツソースの中に落としてしまいまして、慌てて拭き取りましたが無事でした。
素晴らしいコーティングです。
味が染み込んで美味しくなりました?



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マウントゴリラとの怪力同士の記念撮影。

今回、この作例を恒例の家族との会食の席に持って行きまして、その時来ていた甥っ子(上の兄の方)の友人達に見せました。
大学卒業でこれから社会に出る若い人達相手の話でしたが、皆さん面白がってくださいました。
世代的にはウルトラマンコスモスの時代でしょうが、初代のウルトラマンの事も知っていましたし、怪獣が大好きでした。
甥っ子自身は余り興味がなさそうでしたが。

これからの若い人達に、僕共々応援のメッセージを送りますレッドキングとマウントゴリラです。



来るか来るかと思っていた方も多いでしょうけれども、やっぱり来ました。
2020年の挑戦 ケムール人の話題です^^。


特撮テレビ番組の元祖として名高い「ウルトラQ」(1966年)の有名エピソード「2020年の挑戦」は、怪奇色の濃いSFドラマです。
当時としては近未来であった2020年の世界から、地球に飛来した宇宙人ケムール人が登場します。
発達した科学により寿命を驚異的に伸ばす事に成功したケムール人ですが、肉体の衰えはどうにもなりませんでした。
そこで地球人の若い肉体を奪いに地球にやって来るという設定内容です。

何とも物騒な話ですが、どんなに科学が発達しても生命の維持には限界があるという証明でしょう。
後に登場するウルトラセブンのワイルド星人も同様ですが、他者の命を奪ってまでも自分達が生き延びるという主義は、他の生き物に対する僕等人間も又同様だと考えますと、実に重いです。

それはさて置いて、誘拐怪人ケムール人の姿形と設定は、映像作品に登場する宇宙人の中でも大変素晴らしく、今なお語り継がれています。
デザインはウルトラマンと多くの怪獣を生み出しました成田亨先生です。
成田先生ご自身も会心の作と称される程の傑作です。
以前成田先生は、ご自分がデザインされた怪獣・宇宙人の中で特に好きなものとしまして、ゴモラ、ジャミラ、ケムール人を取り上げていらっしゃいました。

そのケムール人ですが、今なお素晴らしいデザイン感覚は時代を超えた存在として輝いています。
頭の天辺から足の爪先までひとつに繋がった、一切の無駄を排した長身のスマートな体形。
長く伸びた頭頂部と不気味に動く3つの目玉のある頭部は、どこから見ましてもひとつの顔に見えます。
これは成田先生が、古代エジプトの絵画表現を取り入れたシンクロナイゼーションという技法を用いたものです。

笑い声を上げながら夜の街路を高速で走り抜ける姿は、怪奇と幻想のイメージです。
ケムール人役の古谷敏氏は、スマートな体形を見込まれまして後にウルトラマンを演じられました。

ケムール人の住む2020年の世界に、とうとう時代が追い付いてしまいました。
多少前置きが長くなりましたが、放送当時の書籍類を中心にケムール人のビジュアル関連を紹介していきましょう。





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ウルトラマン決定版!怪獣カード 
(現代芸術社刊 1966年)

ウルトラマン放送当時に出ていました、ウルトラ怪獣の解説付き怪獣イラストカードです。
成田亨先生の作品で、走るケムール人が素晴らしいイメージで描かれています。
モノクロ映像の「ウルトラQ」における色彩感覚が判明出来ます貴重な資料です。



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特撮と怪獣
(フィルムアート社刊 1996年)

成田先生が歩んで来られた道のりを、語り下ろしで書かれました自叙伝です。
幾多の怪獣イラストをこの本の為に描かれましたが、特にお気に入りでしたウルトラマンとケムール人も新たに描かれております。
この絵とほぼ同じ構図の彩色絵画も存在します。
躍動感溢れる姿を正面から捉えています。



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週刊少年マガジン 1966年18号 巻頭特集 ウルトラQのすべて 
(講談社刊 1966年)

ウルトラQ放送当時の少年誌での特集です。
南村喬之画伯が描きます、大迫力の作画です。
ガラダマ隕石が大群飛来する都心で、怪獣達が大暴れです。
ケムール人がなんとビル根こそぎを持ち上げています。

この雑誌特集は当時親戚の家で見せてもらいましたが、このケムールの暴れっぷりには年上の従兄も驚いていました。



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週刊少年マガジン 1967年19号 巻頭特集 超ワイド画報オール怪獣大激闘  
(講談社刊 1967年)

ウルトラマンの放送が終わった時期の特集です。
2色刷りの巻頭織り込みグラフで、広げますと差し渡し1メートルにも及びます怪獣大パノラマ画報です。
南村香之画伯によります迫力の描写で、沢山の怪獣達が大暴れする様子が描かれています。
これだけの絵を描くのに、どれ位の時間と労力がかかっているのか計り知れません。
一体一体丹念に描き込まれた怪獣達が、素晴らしい迫力で活き活きと描写されています。

その中の一部ですが、ケムール人がゴモラと戦っています。
両者共、成田先生のお気に入りデザインです。
果たして勝敗はいかに?


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週刊少年マガジン 1965年53号 巻頭特集 ウルトラQの怪獣たち 
(講談社刊 1965年)

ウルトラQが放送前の特集号です。
オーソドックスな形での紹介ですが、観覧車を前にして立つ巨大宇宙人としての姿が描かれています。
後にこの構図は面子の絵柄にも流用されました。



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週刊少年マガジン 1966年18号 巻頭特集 ウルトラQのすべて 
(講談社刊 1966年)

全ての怪獣紹介です。
ケムール人の他にもゴメスとトドラも載せておきました。
頭が生きて身体は死んでいる?という解説文は、一定情報として繰り返し応用されています。



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週刊少年マガジン 1966年51号 巻頭特集 ’66年版ウルトラ怪獣事典
(講談社刊 1966年)

ウルトラマン放送時の年末特集で、それまで登場しました怪獣達がまとめて取り上げられています。
これはウルトラ怪獣のみならず、東宝や大映等の映画作品、更には「悪魔くん」や講談社では馴染みの薄かった「マグマ大使」、そして海外作品の怪獣等も取り上げていました。
まさに怪獣大特集です。

ケムール人のお決まりの解説は兎も角、ナメゴンはなんと火星人が姿を変えた物だという内容には驚きです。
本当にそうだったんでしょうか?



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週刊少年マガジン 1967年11号 巻頭特集 きみも怪獣を作ろう! 
(講談社刊 1967年)

ウルトラマンも放送終盤の時の怪獣特集です。
高山良策氏の怪獣工房紹介から、特撮スタジオの様子、そして廃材中心に作る怪獣アィデア工作までが紹介されています。
その中でも、ザルと布切れを使ったカネゴンの着ぐるみ工作が有名です。

しかし、実際には子供が作れる代物ではありませんでした。
作り方の大変さと共に、材料がまず手に入りません。
カネゴンの場合は最難関は大きなザルでしたが、所々明記してあります いならい古着等もありませんでした。
古着だろうと何だろうと、当時の一般家庭ではボロを縫い合わせてでも着用していました。
このケムール人も頭部までは紙で作れるでしょうが、お父さんの猿股を使ってまで作る事はとても出来ません。



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少年ブック 1966年6月号 中城健版ウルトラQ  
(集英社刊 1966年)

どことなく手塚治虫タッチを連想させます、中城健氏描くウルトラQのコミカライズです。
後にスポーツ漫画で開花します中城氏ですが、様々な怪獣漫画も手掛けています。
その原点とも呼べるのが漫画版ウルトラQなのです。

テレビドラマ版をほぼ忠実に描き、ケムール人の不気味さも柔軟なペンタッチで描写しています。
この時期の氏の画風が、可愛らしさを感じられて好きでした。



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週刊少年マガジン 1967年17号 楳図かずお版ウルトラマン 
(講談社刊 1967年)

怪奇漫画の大御所 楳図かずお氏の描いた漫画版ウルトラマンです。
最終話に当たりますメフィラス星人の回に登場する、凶悪宇宙人軍団です。
テレビドラマ版とは違い、楳図版では街を破壊して大暴れして、ウルトラマンとも直接対決します。
楳図タッチが最高に宇宙人の質感表現を引き出して、怪獣イメージで描き込んでいます。



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週刊少年マガジン 1967年19号 楳図かずお版ウルトラマン 
(講談社刊 1967年)

メフィラスの手下の宇宙人軍団中、ケムール人はやや影が薄い感じです。
軟体動物みたいで不気味なんですけれどもね。
頭頂部から煙幕を出してウルトラマンを攻撃します。
チームワークの取れた連携プレーを見せますが、最後はウルトラマンのスペシウム光線で一網打尽にされます。




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週刊少年マガジン 1965年52号 ウルトラQ特集予告 
(講談社刊 1965年)

伝説のウルトラQの最初の特集号が出るひとつ前の号での予告頁です。
これを当時見た読者の子供達は、いかに皆ドキドキした事でしょうか。
怪獣時代の幕開け、そして現在まで続くウルトラ世界の出発原点の始まりなのですから。
壮大な伝説が生まれる前触れを目の当たりにする気持ちの高鳴です。



ケムール人に関する怪獣文化情報を、手持ちの資料からざっと紹介していきました。
2020年を迎えて、更なる未来を明るく築いていきたい気持ちですね。



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