努blog

2013年11月

日東のゼンマイ歩行版ジャイガーです。
ようやく模型が入手出来ましたので、完成させてここに公開します。
 
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時は1970年、人類の進歩と調和をスローガンとした大阪万博が開催された時代。
そこに出現した怪獣が、大魔獣ジャイガーです。
 
南の島ウェスター島から出現し、日本に上陸して、折りしも万国博覧会が開かれている大阪で暴れます。
これというのも、ジャイガーを封じ込めてあった魔除けの石像を、古代遺跡として万博で展示する為に日本に持って行った為です。
封印を解かれたジャイガーは、ガメラの攻撃も物ともせず、ガメラを窮地に追い込みます。
その凶悪な面構えに反してジャイガーは中々の戦略家で、固形唾液によるミサイル針での攻撃、頭の角から出る殺人光線、手足の吸盤、更には相手の体内に卵を産み付けるという厄介な離れ業を持ちます。
 
特に印象深かったのは、卵を産み込まれたガメラが、建物を破壊しながらもヨロヨロと力無く歩いて倒れる場面です。
広いセットの中に用意された発電所のミニュチュアに、悲壮感溢れる音楽。
ガメラの苦悩を描いた名場面だと思います。
 
幼虫を寄生されたガメラですが、人間側の助けもあって危機を脱し、最終戦に挑み勝利を収めます。
広大な万博会場のセットは流石に破壊する事が出来ず、ジャイガーが角で数回突いた時にガメラが駆けつけてきて、防御します。
 
日東の模型ですが、やや大頭ながらも四足のジャイガーの特徴をよく捉えています。
ざら付いた皮膚の感じもリアルです。
ただし、口にある筈の2本の牙がありません。
作例では模型のランナーを削って自作してあります。
意外に胴体の幅が狭くてゼンマイがつっかえてしまいますので、歩行時間がそれ程長くありません。
映画公開時と同じ頃の発売で、ゼンマイ版の他に台座付きのミニサイズもありました。
これらも80年代に再版されました。
 
作例は再版品を組んだ物で、先に述べました通り、口の牙を自作してあります。
これがあると、ぐっと劇中イメージに近付きます。
彩色は黄土色を中心に、茶色系統でいきました。
 
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岡本太郎記念館で買ったソフビ製「太陽の塔」を用いての、対決場面再現です。
過去の怪獣ブームを振り切るかの様に、次の時代へ突き進むガメラの勇姿。
70年代に起こった、怪獣新時代の幕開けを表現してみました。

マグマ大使怪獣が続きます。
今井科学の灼熱怪獣アロンです。
 
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ゴアが地球に送り込んだ怪獣の第4号で、異様なまでのリアルな皮膚感覚の迫力怪獣です。
放送第1話では前世紀の恐竜としても登場し、初期オープニングの冒頭にも出てきます。

マグマ大使が初めて組み合って直接対決した怪獣でもあり、以外にもそれ以前のモグネスやバドラ、フレニックスとの対戦では、対戦相手に指1本触れていません。
地球にやってくる前に、宇宙のパル遊星を滅亡させました。
しかし、最後は豪雨に撃たれて戦意喪失のところを、マグマ大使に投げ飛ばされ、ミサイルを食らってお陀仏となりました。
 
基本、「マグマ大使」は前半は4話完結方式でしたが、後に2話完結になりました。
現在の目から見ますと、やや話が長い気もするのですが、ドラマが丁寧に作られていて、当時は「ウルトラマン」共々夢中で見ていました。
 
今井科学のアロンですが、同じく今井オリジナル怪獣のバギラ、ガルバ等と同様、鋭角な細かい切子を塗した様な、大変リアルな表面皮膚表現がなされています。
実際の着ぐるみとはまた違った、優れた表面処理です。
手塚治虫漫画に出て来る怪獣みたいで、絵の特徴を上手く捕らえて表現しています。

以前から言われている説ですが、もしかしたらこのアロンは、原作漫画に登場するゴアの怪獣形態版かも知れません。
姿形がそっくりです。
テレビで有名なアロンにした方が子供達への通りがいいので、名前を変えて販売したのではと思うのですが、如何なものでしょうか。
 
発売されていたのは1966年末で、クリスマス商戦の意識も感じられます。
小学校低学年の頃、弟と100円ずつ出し合って、買った想い出がありました。
今は亡き父が組み立ててくれたのですが、箱の中の部品を見ては、随分漫画的だと当時も感じておりました。
 
このアロンですが、ジャンク品を修繕した物です。
オリジナルにはなかったギミックで、歩行に伴い両腕を上下に動かす仕組みを施しました。
歩行用の足とは別に、補助用の足が付いていて、それらを交互に動かしては豪快な歩きを見せます。
彩色は渋さを出して、暗いグリーンで、漫画版の表現で目と牙を塗ってみました。
 
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先に紹介しました、クラウンのマスコット版マグマ大使と、同じくクラウンのゴアゴンゴンとの記念撮影。
マグマ大使立会いの下で行われた、ゴアの正体同士の顔合わせみたいですね。
 
 
 
 

クラウンのマグマ大使怪獣で、ゴアゴンゴンです。
 
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「マグマ大使」に登場した、宇宙の帝王ゴアの正体です。
地球を我が物にしようと、様々な宇宙怪獣を送り込んできたゴアが、ついに最終決戦でマグマ大使との直接対決に挑みました。
絶対零度(マイナス273度)の冷凍光線を武器とし、マグマ大使を窮地に追い込みますが、最後は意外な程の呆気なさで倒されます。
「ウルトラマン」のゼットンが圧倒的な強さだったのに対して、ラスボスの割には随分と拍子抜けしてしまいました。
竜の様に鱗で覆われた姿は確かに格好いいのですが、ゴアのままでの姿の方が存在感がありました。
 
クラウンはいくつかオリジナルの怪獣模型を開発しておりましたが、70年代に入ってテレビキャラクターを手掛けました。
鉄人28号にマグマ大使、ジャイアントロボ等です。
それらと戦う怪獣も、いくつか販売しておりました。
GR2、ゴアゴンゴン、アゴン(「仮面の忍者赤影」の登場した甲虫怪獣)等がそれです。
このゴアゴンゴンは、70年頃に玩具屋で見た記憶がありますので、販売時期もその頃だと思われます。
 
ここで疑問ですが、既に番組の放送が終了した60年代のキャラクターを、何でその数年後になってから商品化したのでしょうか?
これは個人推測ですが、当時は現役での特撮ヒーロー番組が少なかったのではと思われます。
第2次怪獣ブームが始まったばかりの時代だったのでしょう。
そこで、その頃再放送が行われていた、かつての人気番組のキャラ商品を手掛けたのではないでしょうか。
 
模型ですが、実際のゴアゴンゴンの特徴を捉えながらも、鋭角直線的にデザインされていて、独創性的な造形になっております。
全体に西洋のドラゴンを思わせる姿で、長く鋭い角が山羊の様です。
歩行はややぎこちなく、足踏みをするばかりで中々前進しません。
足の裏には、金属板のストッパーを付属させる仕組みになっています。
 
作例は、やや手塚治虫漫画的な雰囲気で彩色してみました。
背鰭の赤はマントのイメージで、目玉もモールドより内側に描く感じで塗りました。
 
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同じくクラウンの、マスコット版マグマ大使との記念撮影。
 
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箱絵は手塚治虫漫画を模した感じのものです。

この模型ですが、以前都内で行われた手塚治虫ファン大会に出品展示した事がありました。
マスコットサイズのマグマ大使と、僕が幼稚園当時来ていたアトムシャツ(テイジンテトロン製)と一緒に、会場で展示させていただいたところ、かなりの反響を呼びました。
皆、懐かしいのでしょうか、自分も嬉しくなりました。

先日に引き続いて、ビリケン商会での展示に関する情報です。
 
漫画家 中本繁さんの作られたミニくるくる紙芝居です。
箱の中で左右に設置された棒を巻く事によって、それに付属している紙が移動して、描かれた物語が進行していくという設計です。
 
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中本繁さんは、1972年に少年ジャンプで第一回手塚賞受賞者となり、メルヘン漫画「ドリーム仮面」を同誌に連載しました。
独特の作風が評価されて、多くのファンに支持されました。
 
しかし、連載終了以降は消息を絶ち、30年間存在不明となっておりました。
その間も、お仕事をされながらもお好きな詩を書いたり、紙芝居を作られたりと、創作面での活動を地道に行っておりました。
 
そして復活。
絵本の出版、定期に行われる くるくる紙芝居の上演に作品展。
まさにドリーム、夢の世界観で、現在も多くの人達を魅了し続けてくださいます。
 
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ビリケン商会から、今年の春に初の絵本「ドリーム仮面 ぼくだけの家」が出版されて、長期の作品展も開催されました。
かつての読者だった数多くの方々、新たにファンになられた方々が集まりました。
夢の世界は、いつの時代も変わる事がないのだと実感させられました。
 
現在も中本さんは、紙芝居を作られたり地域での上演を行われたりと、ご活躍中です。
開催中の逆柱展でも、お店の販売用にミニ紙芝居を持ってこられました。
 
上の絵は最近の作品で、星空のメルヘンです。
嫁さんへのプレゼントに、僕が買わせていただきました。
 
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中本さん御自作の創作こけし。
虹はお好きなモチーフだそうです。
 
ビリケン商会では中本さんの絵本販売と共に、ミニ紙芝居も販売しております。
時折ご本人もお出でになり、先日は僕も久々にお会いして楽しく会談しました。
夢の世界を、是非この目でご覧になってください。
 
 
 

いつもお世話になっております、南青山のビリケン商会にて、「逆柱いみり個展 墨壺獣」が開催中です。
異能の漫画家 逆柱いみりさんの作品展で、今回は絵画に造形を出展されております。
墨壷をモチーフに、独創性豊かな怪獣とも機械ともつかない作品群が会場狭しと並びます。
その様子は、日常空間を離れた独創の世界です。
 
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絵画作品も精密を極めた世界で、地下街を思わせる異様空間に様々な生き物達が闊歩する様子が見られます。
これは次元を通り抜けて幻想の迷路に誘い込まれる気持ちになります。
 
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そして、怪獣マニアでありカーマニアでもある逆柱さんが作った創作自動車の数々。
タイヤも含めて全て粘土製なのが驚きです。
映画「宇宙快速船」のアイアンシャープ号もあります。
 
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今月23日(土)まで開催されておりますので、ご興味を持たれた方は是非お出でくださいませ。
 
今回の展示に合わせて、自分も怪獣ソフビ人形を彩色しました。
逆柱さんデザイン造形の「脳内リゾート怪獣計画シリーズ」で、木乃伊怪獣ファラオスと癇癪宇宙人クリテン星人です。
こちらも会場内で販売中です。
 
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