先日はゴジラ誕生記念といたしまして、いろいろな雑誌記事を紹介して参りました。
今回紹介しますのは、集英社のおもしろブック1957(昭和32)年10月号の別冊付録漫画「さいごのゴジラ」です。

作者は橋本よしはる氏で、当時流行った探偵ものや時代劇等を描いていたそうです。
橋本氏に関しまして詳しくは不明ですが、大変絵の上手い作家で、ゴジラに人物、建物に背景と、しっかりとした線画で描かれています。

物語は、映画「ゴジラ」の上映中に始まります。
仲良しの正男くんとえみ子さんは、日曜日に一緒に映画を見に行きました。
すると映画の上映中に・・・

なんとスクリーンを破って、本物のゴジラが現れました。
どこから出て来たのかは解りませんが、この突飛な出来事に皆は大騒ぎです。

ゴジラは街に出て暴れます。
しかし随分と小さい、これは子供のゴジラでした。
デパートの屋上に追い詰められた子供ゴジラは、皆から責められて立ち往生です。

そこへ親ゴジラの出現です。
子供を助けて街で大暴れです。
戦車も飛行機も、ゴジラ親子にとっては玩具みたいなものです。

ゴジラを殺そうとする防衛隊に、正男くんは講義しました。
「悪いのはゴジラを怒らせた水爆実験だ!」
皆は目が覚めました。

正男くんや多くの人達の思いが通じたのでしょう。
ゴジラ親子は海に帰って行きました。
平和への祈りを込めて、皆は見守っていました。
おしまい
という感じの漫画でした^^。
何だかほのぼのとしています。
ゴジラの親子とは、もしかしたら映画に出て来たゴジラの奥さんと子供かも知れませんね。
漫画ならではの楽しい発想が感じられます。
最後は破壊兵器を使わず相互理解による解決で幕を閉じる辺りに、映画の持つ平和へのメッセージが描かれた作品だと思いました。
昭和32年といえば、海外編集版の「怪獣王ゴジラ」が公開された年でもあります。
当時から、ゴジラはいろいろな形で活躍して、子供達を喜ばせていたのです。