努blog

2014年11月

先日はゴジラ誕生記念といたしまして、いろいろな雑誌記事を紹介して参りました。
今回紹介しますのは、集英社のおもしろブック1957(昭和32)年10月号の別冊付録漫画「さいごのゴジラ」です。
 
 
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作者は橋本よしはる氏で、当時流行った探偵ものや時代劇等を描いていたそうです。
橋本氏に関しまして詳しくは不明ですが、大変絵の上手い作家で、ゴジラに人物、建物に背景と、しっかりとした線画で描かれています。
 
 
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物語は、映画「ゴジラ」の上映中に始まります。
 
仲良しの正男くんとえみ子さんは、日曜日に一緒に映画を見に行きました。
すると映画の上映中に・・・
 
 
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なんとスクリーンを破って、本物のゴジラが現れました。
どこから出て来たのかは解りませんが、この突飛な出来事に皆は大騒ぎです。
 
 
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ゴジラは街に出て暴れます。
しかし随分と小さい、これは子供のゴジラでした。
 
デパートの屋上に追い詰められた子供ゴジラは、皆から責められて立ち往生です。
 
 
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そこへ親ゴジラの出現です。
子供を助けて街で大暴れです。
 
戦車も飛行機も、ゴジラ親子にとっては玩具みたいなものです。
 
 
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ゴジラを殺そうとする防衛隊に、正男くんは講義しました。
 
「悪いのはゴジラを怒らせた水爆実験だ!」
 
皆は目が覚めました。
 
 
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正男くんや多くの人達の思いが通じたのでしょう。
ゴジラ親子は海に帰って行きました。
 
平和への祈りを込めて、皆は見守っていました。
 
             おしまい
 
 
という感じの漫画でした^^。
何だかほのぼのとしています。
ゴジラの親子とは、もしかしたら映画に出て来たゴジラの奥さんと子供かも知れませんね。
 
漫画ならではの楽しい発想が感じられます。
最後は破壊兵器を使わず相互理解による解決で幕を閉じる辺りに、映画の持つ平和へのメッセージが描かれた作品だと思いました。
 
昭和32年といえば、海外編集版の「怪獣王ゴジラ」が公開された年でもあります。
当時から、ゴジラはいろいろな形で活躍して、子供達を喜ばせていたのです。

ゴジラ生誕記念の続きです。
お次は時代が下って、1960年代後半の怪獣ブームからです。
 
 
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「週間少年マガジン」1965(昭和40)年の第32号の巻頭図解、「世界のびっくり怪獣総まくり」から。

南村喬之氏の描くゴジラの必殺技、ハンマーフック!
尻尾チョップをこう呼ぶのですね。
それにしましても、対戦相手(ヤラレ役)がキングコングとは!
 
 
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そして怪獣ブームに沸いた1967(昭和42)年の、「別冊少年マガジン」1月号から。
南村喬之氏が描いた「南海の大決闘」口絵。
 
発売されたのは前年の66年暮れで、僕はクリスマスにこの雑誌を買ってもらった想い出があります。
ウルトラマンの怪獣や東宝のゴジラ映画、「悪魔くん」の妖怪等が特集された、素晴らしい内容でした。
 
大海老怪獣エビラを相手に戦うゴジラ。
正義の味方に目覚めた雄姿です。
ハサミをもぎ取られたエビラの流す黄色い体液が、何ともリアルです。
 
 
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これは珍しい、映画美術監督で彫刻家の成田亨先生が描いたゴジラ。
現代芸術社刊「世界大怪獣カード」1966(昭和41)年より。
 
ゴジラやモスラ、ラドン等の東宝映画の怪獣が、成田先生の作画で登場です。
彫刻作品を彷彿させる独特のタッチに注目です。
 
 
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最後になりますが、恥ずかしながら僕が描いたゴジラです。
 
今から20数年前に、ビリケン商会から販売されていたブリキ製のゼンマイ歩行ゴジラの箱絵です。
玩具本体は、付属のモスラ幼虫を引っ張ると歩行を開始します。
映画「ゴジラVSモスラ」1992(平成4)年の公開に合わせて発売されました。
 
この絵は短時間で完成させた労作で、箱の横のイラストも描きました。
完全に昭和版のイメージです。
 
 
こうしてみますと、長い歴史の中でゴジラも様々な時代を生き抜いてきたのだと感じました。
僕が物心付いた時には、すでにゴジラは子供達の人気者でした。
暴れ者ではあるけれども、いい奴だという認識でした。
最新技術を駆使しての海外映画も公開されましたが、形を変えながらもゴジラはこれからも活躍し続けていくでしょう。
 
不滅の怪獣王ゴジラ万歳!です。

11月3日の今日は文化の日ですが、それと同時に重要な日でもあります。
日本が世界に誇る2大巨頭、漫画の神様 手塚治虫氏の誕生日であり、そして映画「ゴジラ」の公開日です。
 
今から60年前の1954(昭和29)年に東宝が公開してから、ゴジラは様々な形で現在でも生き続けています。
その存在の大きさ、不滅の生命力は、まさに怪獣の中の怪獣です。
 
ゴジラ生誕記念としまして、僅かではありますが手持ち資料で紹介していきます。
 
 
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以前も紹介しましたが、これは「ゴジラ」が公開される以前の1952(昭和27)年に出されました本で、鹿間時夫氏の著書「世界の竜」です。

著者自身が子供達を相手に公演するという場面設定で内容が進行していきます。
その中の一文で、前世紀の恐竜に関する説明の際における、子供達の反応です。
 
まさかこの2年後に、映画の中の事ではありますが、この不安が的中してしまうとは思いも寄らなかったでしょう。
 
そしてゴジラの登場です。
 
 
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集英社「おもしろブック」1954年10月号より。
折込口絵「暴れ狂うゴジラ」。
大迫力のゴジラの姿が、粘土原型と人工着色で紹介されています。
 
 
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10月号の本文折込表紙と、翌11月号別冊付録の表紙より。
このふたつで、ゴジラ物語が描かれています。
 
絵物語作家 阿部和助氏の迫力の作画です。
阿部氏は実際のゴジラのデザインも依頼されました。
直接の採用はなりませんでしたが、イメージの参考にはされたそうです。
まさにゴジラ作画の最適任者です。
 
 
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「おもしろブック」1955(昭和30)年の6月号別冊付録の巻頭に収録された、小松崎茂氏の描いた「ゴジラの逆襲」。
アンギラスと戦うゴジラが物凄い迫力で描かれています。
このゴジラですが、トカゲ形の頭部といい太い腕といい、後のキンゴジを彷彿させる姿です。
 
この別冊付録には、杉浦茂氏の漫画「大あばれゴジラ」も掲載されています。
 
これらの作品は、先頃復刻されましたので、ご覧になった方も多いでしょう。
 
 
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ゴジラの元祖とも呼ばれている、キングコングの雄姿。
これも小松崎氏の筆による作画で、「週間少年マガジン」1967(昭和42)年の第9号に掲載されたものです。

先のゴジラの逆襲から12年後、同じ様な構図で描かれています。
こうして見ますと、小松崎氏の中では、キングコングとゴジラは同様なキャラとして扱われている様な感じがします。
どちらも世界に誇る怪獣王ですから。
 
 
その2に続きます。

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