努blog

2015年07月

ビリケン商会のブリキ玩具、紹介の最後を飾りますのは、
ロボット ロビーです。


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SF映画の古典「禁断の惑星」(1956年 アメリカ)に登場するマスコット的キャラクターで、人間味のあるロボットの元祖とも呼ばれています。

本来は機械ですので、金属部品と配線の詰まった内部を持つロボットなのですが、動作と喋り方が大変にユーモラスで、映画での内外問わず、キャラクターとしても人気があります。
頭部の透明部分から見える、内部の機械が動く様子がいかにもロボットらしいリアルさで、その姿は多くの人達を惹きつけました。


昔から、ブリキの玩具にも何種類もなりました。
バッテリー式の大きな物から、ゼンマイ作動の物、無版権っぽい物まで様々で、いずれもロビーの愛すべき姿を金属製品として上手く再現しています。



ビリケン商会製のロビーですが、1993年(平成5年)発売で、設計制作は串田 恭男氏です。
ゼンマイを巻くと、歩行と同時に頭部内にありますプロペラが回転します。
色は焦げ茶とモスグリーンの2種類で、購入特典としてアルミ製の銃が付いて、ロビーの手に持たせる事が可能です。
映画同様に歩く様子が愉快な玩具で、ブリキの素材が金属質のロボット感に見事にマッチしています。

僕が所有しておりますのは、この焦げ茶色バージョンの方です。


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ゴジラ、モスラの時と同様に、このロビーも僕が箱絵を依頼されました。
資料として手渡されたSF映画関連の雑誌を基に、映像イメージで描きました。

この商品版権はロビーのみであり、映画「禁断の惑星」でロビーが乗り込んで移動する乗り物は、別版権になる為に描く事が禁止されました。

全体を緑色で統一し、宇宙もグリーンです。
背景には洗面器の様な円盤?と、50年代風のシンプルなロケットを設置しましたが、このロケットがまるでマグマ大使みたいになりました。

土星も出ていますね~。


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このロビーは海外でも販売されました。
映画同様に可愛らしい姿が愛されたのでしょう。

世界に有名な海外キャラクターを描かせてくださいました、ビリケン商会さんに感謝します。


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  シンプルなデザインでありながらも複雑でリアルな内部の機械
  この玩具は 歩きながら頭部のプロペラが回転します


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        撃つぞっ! と構えるロビー拳銃
        アルミ製で 付属特典です


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以上、数回に渡りまして紹介して参りましたビリケン商会製ブリキ玩具ですが、これを持ちまして一旦公開終了とさせていただきます。

これら動力ギミックのブリキ玩具類も、時代の移り変わりと共に、現在ではその存在は過去の物となっております。
優れた技術伝承が何らかの形で残り、受け継がれてゆく事を願っています。


ブリキ玩具紹介の第3弾、成虫モスラの登場です。


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ビリケン商会から、映画「モスラVSゴジラ」公開時(1992・平成4年)に、VSモスラタイプのゴジラと同時に発売されました。

こちらも設計制作は、串田 恭男氏です。

大きな羽に綺麗なプリントが施されています。
全てブリキ製で、頭部の触角はバネで出来ています。
このバネを少し折り曲げると、微妙にいい感じになります。


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ゼンマイを巻くと、大きな羽を上下に動かして車輪走行します。
ブリキ製ですので、羽の端が多少切り立って危ないので、扱う時には手を怪我しない様に気を付けます。
羽の裏側にもプリントが成されています。


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このモスラの箱絵も、僕が描きました。
映画の一場面で、都心を襲撃するモスラの猛威です。


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箱の横にはシュリエットで、東京とニューヨークの夜景を配置してみました。

この絵を描いている途中で居眠りをしてしまい、絵の具を溶かす水入れを倒してしまった為、箱の横用の絵を駄目にしてしまうという失態をやらかしました。
仕方なく、夜景場面の絵を描きなおしました。



このモスラとゴジラが販売されました時は、お蔭様で多くの方々に喜ばれました。

これらブリキ玩具ですが、発売から既に20年以上が経っており、残念ながら現在では絶版となっています。
時々中古市場で出て来る事があります。

以前、ヤフオクでこのモスラが出品されました時に、何とも物凄い解説が成されているものを拝見しました。

「箱絵は小松崎 茂氏の描き下ろしで、大変味があります」

な、なんと!
巨匠 小松崎 茂画伯のお作と思われているではありませんか!
畏れ多い!そんな、僕なんざとても・・・!
驚きと恐縮でした。


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最後は、ゴジラに付属している幼虫モスラと親子揃って記念撮影です。



ビリケン商会のブリキ玩具、紹介の第2弾はVSモスラタイプのゴジラです。

東宝映画「ゴジラVSモスラ」(1992・平成4年)公開時に合わせて、販売されました品です。


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設計制作は、串田 恭男氏です。

従来のブリキゴジラに、モスラの幼虫(これもブリキ製)が付属します。
幼虫モスラを引っ張ると、紐で結ばれたゴジラの体内のゼンマイが引かれて、ゴジラが歩行を開始します。
最後にモスラがゴジラの尾に食い付いて歩行終了となる仕組みです。

このギミックは、昔あったブリキ玩具で、大きな魚が小さな魚を追いかけて飲み込むという物と、同じ構造です。
以前このブログで紹介しました、クラウン模型の「ロケットカー対ガメス」も同様です。


ゴジラ本体の形は、前の2色タイプと同じですが、モスラに付属させている紐で引っ張れる様に、内部のゼンマイを大分薄くしてあります。
歩行速度もかなりゆっくりとしています。

青黒い色合いで、映画「モスラ対ゴジラ」(1964・昭和39年)を彷彿させるイメージです。
このゴジラ本体の色合いですが、僕が簡単にではありますが描いたイラストを、ビリケンさんの方でイメージの参考にしてくださいました。


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モスラ幼虫 これも全てブリキ製です。
ゼンマイを引く紐は丈夫で、ゴジラ内部のゼンマイを上手く引っ張ってくれます。


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以前のゴジラ生誕60周年記念のブログ記事でも紹介しましたが、この時の箱絵を僕が描きました。
改めて再公開します。

作画には、随分と苦労した覚えがありました。

僕が丁度、成田 亨先生の美術教室に通っていた時期でして、成田デザイン感覚に影響されていた頃でした。
どうしても重量感よりも鋭角な躍動感を重視してしまう傾向になってしまって、何度か下絵を描き直しました。

怪獣の持つバーバリズム(野生感)を全面に描き出し、完成させました。
これは、映画「モスラ対ゴジラ」(昭和版)のイメージというよりも、初代か逆襲版のゴジラと、幼虫モスラとの闘いですね。


お蔭様で、平成シリーズの映画公開と共に、ブリキゴジラも大評判でした。
このゴジラと同時発売されていたのが、ブリキ玩具のモスラ(成虫)でした。
こちらの方も、箱絵は僕が描かせていただきました。

次回、公開予定です。


最初の2色版ゴジラがいつ頃の発売だったかですが、定かではありませんが、丁度80年代の末頃と記憶しております。
僕が東京に出て、荻窪の古い木造アパートで弟と暮らしていた、20代後半の頃でした。
いつのまにか、遠くへと過ぎ去りし日々・・・


前回の、ビリケン商会ブリキ製ゴジラのブログ記事への反響が、思った以上に大きかったのには驚いております。
かなりのアクセス数で、ツイートしてくださった方も沢山いらっしゃいました。
これは、ビリケン商会さんご自身と、友人のほうとうひろしさんのご評価と紹介に他なりません。
改めて、感謝します。


追伸
先程、ブログ仲間である もすらさんからご指摘をいただきました。
平成版映画では、「ゴジラVSモスラ」が正解で、ゴジラの名前が先に来ます。
僕は思い込みで、今まで確かめもせずにモスラの名前を先にしていました。
お詫びと共に、過去の文章を訂正させていただきます。
ご指摘、感謝します。

東京の南青山にありますビリケン商会は、老舗のアンティーク店で、自社製品の玩具販売や、絵本の出版事業等も行っております。

僕も日頃お世話になっており、既に30数年ものお付き合いになります。

そのビリケン商会の開発製品のジャンルに、ゼンマイ作動のブリキ玩具製品があります。
今迄、数多くの自家製ブリキ玩具が開発販売されて来ましたが、その中のいくつかを紹介させていただきます。

第1回目は、ゴジラです。


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設計制作は、ベテランのブリキ玩具職人 串田 恭男氏です。

本体から背鰭、下顎と、全てがブリキ製のこだわりの逸品です。
ゼンマイを巻くと、両腕を動かし、下顎を開封させて歩行します。
緑と茶の2パターンが存在しますが、これは茶色の方です。


このゴジラには、僕自身の想い出があります。

ビリケン商会の社長 三原 宏元氏から、彩色見本を依頼されました。
お店の方では、職人さんによる緑色の手塗りの完成見本が出来ていたのですが、別の色も検討したいとの事でした。

手足と中身の無いブリキ本体を手渡されたのですが、名誉な事と喜んだ僕は、思い切りリキを入れて色合いを工夫しました。
塗装はプラモデル用の塗料を使いました。

最初に出来たのは、あまりにも自分勝手な解釈で懲り過ぎてしまった物で、オレンジ色と黒を交えた南米の毒蛇みたいな模様でした。
案の定、速攻で没にされました。
もっと自然な感じで、一般大衆の思い描くゴジラ像にして欲しいとの事でした。

そこで渋い感じの焦げ茶色にしたところ、玩具なので、もう少し明るい色にして欲しいと言われました。

3度目の正直として、やや明るめな黄土色にしてみたところ、細部に黒っぽくメリハリを入れて合格となりました。
その見本を参考に、茶色タイプが作られたそうです。


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改めてこのゴジラを眺めてみますと、大変味わい深く、今の時代にブリキ玩具の技術を再現した力作だと認識させられます。
今現在も、ゼンマイを巻くと、手足を振り上げ口を開封しながら、元気に歩行します。

緑色タイプも所有していたのですが、残念ながら、随分前に訳あって手放してしまいました。
自分の関与した茶色版のみが、現在も手元にあります。


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          レトロなデザインの箱絵

プロのデザイナーさんの手による作画で、この手作り感溢れる拘り様が、ビリケン商品の特色です。


次回も別のゴジラが登場します。


怪獣関連資料で楽しいのは、60~70年代の駄菓子屋的な品物です。
これらは版権問題というややっこしさは抜きにして、子供が純粋に楽しめるお遊びを、お手軽に提供出来るという良心?がありました。

以前紹介しました変ウルトラマンもそうですが、これからはこれらの駄玩具的な楽しい品物を、「おもしろ怪獣ランド」と称して紹介していきます。

今回は、怪獣面子の登場です。


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            ガメラ対バルゴン


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            ベムラー対ピーター


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            パゴス対ピーター
       下地の色違いでピーターは2種登場です


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         空の大怪獣ラド・・・ランド!?


分厚い紙の面子に、怪獣のイラストが印刷されています。
おそらくは無版権でしょうが、今回紹介します面子は絵が中々上手く描けていて、迫力ある怪獣画が抜群の存在感を発揮しております。

当時の子供達は、こういったお手軽玩具で想像力が養われたのでしょう。


これからも時折、楽しい怪獣世界を公開していきます。


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