努blog

2019年11月

前回に引き続き、現代芸術社版ウルトラマン漫画の紹介です。

ウルトラマンのエピソードの中でも、取り分け人気の高い「怪獣無法地帯」です。
漫画版の作画は、このシリーズでも数多くの作品を手掛けました井上英冲氏です。

井上英冲氏は、手塚治虫氏のお弟子さんだった作家でした。
昭和40年にテレビ放送されて人気を博しました「遊星少年パピイ」の漫画版を描かれました。

その関係からか、井上版ウルトラマンはどことなく手塚タッチの温かみを感じさせる絵柄です。




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漫画のストーリーはテレビドラマに準じています。
同じくウルトラマン漫画で有名な一峰大二氏の作品が、ほぼオリジナルな展開でありますので、これはドラマに忠実なコミカライズと言えるでしょう。

音信不通になった観測所員達を探しに、無人の島である多々良島に向かった科学特捜隊。
そこで彼らを待ち受けていたものは…



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多々良島で戦うレッドキングとチャンドラー。
凄まじい決戦が続きます。
島は怪獣達が暴れる、無法地帯と化していました。



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チャンドラーを撃退したレッドキング。
更に地底から現れたマグラを一喝!
マグラはビビって逃げ出します。



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科特隊は二手に別れて探索を開始します。
西のジャングル地帯で、吸血植物スフランに襲われるフジ隊員。
何だか、やけにエロいリアクションポーズですね(^^)



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一方、東の溶岩地帯からはマグラが出現!
ナパーム弾で倒します。



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善良な怪獣ピグモンに介護されて、救助を待っていた松井観測所員。
他の観測所員達は、皆 怪獣の犠牲になってしまいました。

松井観測所員のこの台詞が好きです。
自然の猛威の前に及ばない、人間の姿を感じさせます。

それにしても、ピグモンをもっと可愛く描いて欲しかったですね。



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合流した科特隊員達の前に出現したレッドキング!
人間を救う為に、猛然と向かっていくピグモン。
しかし、その甲斐もなく...




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ウルトラマン登場。
さしものレッドキングも、ウルトラマンの敵ではありませんでした。



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平和がよみがえった島に、犠牲となった観測所員達の慰霊が建てられた。
そして勇敢な小さな英雄の慰霊も…




大変面白く描かれた、ドラマの完全漫画版です。
テレビの名場面が浮かんで来ます。
最後のフジ隊員の言葉が、心に響きます。

尚このエピソードは、現在発売中の復刻版で読めます。

人気の怪獣無法地帯漫画版の紹介でした。




久々の怪獣漫画の話題です。

その昔、特撮番組の元祖「ウルトラマン」(1966~1967年)がテレビで本放送されていた当時の事です。
今は無き出版社 現代芸術社から、月刊形式でウルトラマンの漫画雑誌が発行されておりました。
毎号2作品づつウルトラマンのコミカライズ作品が掲載され、ほぼリアルタイムで漫画版も楽しめるという感じでした。
現代コミクス(コミックスではなく)と称されます。
紙製玩具等の組み立て付録も付いて、大変楽しい漫画雑誌でした。

僕も当時、アボラスとバニラ、ヒドラの回が載った号を買って貰った記憶がございます。
あれにはヒドラの紙製組み立て鉛筆立てが付録に付いていました。




現代芸術社 ウルトラ3冊揃い
僕が現在所有しておりますのは、今のところ以下の3冊のみです。
いずれも余り状態がよろしくなく、ページが部分的に欠損している上、付録も一部無くなっています。



現代芸術社 ウルトラマン4月号
1967年4月号「第十三話 怪獣無法地帯」「第十四話 ガバドン」



現代芸術社 ウルトラマン6月号
1967年6月号「第十九話 ジャミラ」「第二十話 スカイドン」



現代芸術社 ウルトラマン8月号
1967年8月号「第二十三話 ダダABC」「第二十四話 グビラ」



作品話数は、この漫画版のエピソードに準じています。
マニア間以外ではそれ程取り沙汰される事の少ないこれらの作品ですけれども、それでも昭和の遺産ともいうべき記憶に残る怪獣漫画です。
雑誌表紙絵は挿絵画家の巨匠 柳柊二氏です。
怪獣を相手に闘うウルトラマンの雄姿が恰好いいです。

漫画作画は、「怪獣無法地帯」「ジャミラ」「スカイドン」が井上英沖氏で、「ガバドン」「ダダABC」が加来あきら氏、「グビラ」が田中ちかお氏です。



現代芸術社 井上英沖版ウルトラマン
井上英沖版ウルトラマン



現代芸術社 加来あきら版ウルトラマン
加来あきら版ウルトラマン



現代芸術社 田中ちかお版ウルトラマン
田中ちかお版ウルトラマン



皆それぞれの個性が出ていて楽しいですね。




現代芸術社 組み立て付録
楽しい付録が付いているのも、この雑誌の特徴でした。
でも、殆どそれらは残っていない場合が多いのです。

こちらは雑誌に直接付属している折り込み形式だったおかげで、奇跡的に残っておりました6月号付録で、ウルトラマン対スカイドンの対決組み立て工作です。
これをカラーコピーして作ってみたくなりました。



現代芸術社 付録怪獣大パノラマ
これがなんと成田亨先生の描かれました特大サイズのイラストで、8月号付録の怪獣大パノラマです。
こちらも雑誌本体に付属しておりました折り込み式でしたので、奇跡の現存です。



現代芸術社 怪獣大パノラマ
全体像部分紹介ですが、怪獣達と戦うウルトラマンの雄姿が素晴らしい迫力で描かれています。

僕はこの付録イラストを全面コピーした物を、成田先生に差し上げた事がございました。
先生は大変お喜びでした。
それも今では懐かしい思い出です。



現代芸術社 すごろく
パノラマ画の裏面は、この様に双六になっています。




今ではこれらの品はすっかりコレクターアイテムと化し、古書店等で高額で扱われる存在となってしまいました。
最近これらの作品のうち、主だった作家の作品が復刻出版されて読める様になりました。
漫画版で多くのエピソードを描きました井上英沖氏の作品が、復刊ドットコムから上下2巻で発売されています。
これは誠に有り難い事です。
いずれは他の作家諸氏の作品も復刻して欲しいです。



現代芸術社ウルトラマン漫画紹介は、もう暫く続きます。




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