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カテゴリ: 映画

今話題の映画「大怪獣のあとしまつ」を見ました。
ここ最近で、公開初日からこれ程批判意見や酷評に曝された作品も珍しいのではないでしょうか。

僕自身は、この映画は面白くて大変衝撃を受けました凄い作品だと思いました。
以下、あくまでも僕個人の感想と意見です。
ネタばれなしでお話します。




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全長300メートルを越える超巨大怪獣が日本に現れて、何故か原因不明の死を遂げます。
片足を上げたままの格好で巨大な骸と化した怪獣を前にして、脅威はなくなったと皆は喜びますが、大変な問題が残されていました。
死体の後処理です。
腐敗が心配なこの未曾有の廃棄物に、政府は一丸となって取り組みますが…


倒された怪獣の死体をどうやって片付けるのかという問題は、昔から大きな疑問でした。
映画やテレビドラマでも、それらはまともに描写されていませんでした。
今回初めての取り組みと言ってもいい、怪獣退治のその後の物語です。
そのタイトルからコメディかと思っていましたけれども、思いの他真面目な映画でした。

「希望」と名付けられましたその怪獣ですが、僕がTwitterで知り合いました造形家の方が製作に加わっております。
全長6メートルのミニチュアを作って撮影されたそうです。
下顎が大きいのは死後変形したせいでしょうか。
とにかくリアルによく出来ています。
死体だけでこれだけ見せてくれるのは凄い存在です。


悪戦苦闘する政府機関に決行される作戦を取り巻く人間ドラマが展開され、最後の最後に驚きの結末を迎えます。
これはもうここではお話出来ませんので、実際に映画館で直接ご覧になってください。


怪獣対策に関する政府の対応は、何故か能天気でした。
笑えないオヤジギャグを連発しているのは、怪獣映画を見る年代層を考慮してなのかも知れませんが、怪獣が既に死んでいて直接の危害がないという安心感と油断から来るものなのでしょう。

この映画が酷評されている原因は、大方予想されていた様なお笑い要素がほぼなかったところではないでしょうか。
怪獣の死体を前にあたふたする人間の様子が描かれたり、死体処理が終わっていないのに直ぐに別の怪獣がやって来てはまた死体が増えたりするという展開ならば、お笑いとして受け入れられたかも知れません。


しかし僕は、真摯に物事に取り組む姿勢に好感が持てました。
話の前半はやや退屈でしたが、後半からはダム崩壊の作戦決行で、特撮を駆使した怒涛の展開になりました。
そして予想すらあり得なかった衝撃の結末が訪れます。
もう言葉も出ません。


僕は最後の最後で魂が震えました。
まさかこの展開と結末は予測出来ませんでした。
海外作品を含めて出来のいい特撮映画はありますが、人の気持ちを揺り動かしたものはどれだけあったのでしょうか。
今回まさにそれにやられました。
この驚きを成田亨先生に捧げます。

映画「大怪獣のあとしまつ」
賛否両論はございますが、映画館で直接ご覧になる事をお薦めします。




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映画館内で表の街を見下ろすマウントゴリラ

先日の月曜日夕方、東京吉祥寺のパルコ地下映画館で、映画「モデル 雅子 を追う旅」を嫁さんと一緒に観ました。




雅子さん ポスター まよこ

2015年1月に亡くなったモデル雅子さんの追憶を描いたドキュメンタリー映像で、ご主人の大岡大介さんが、雅子さん縁の方々や場所を訪ねては、生前の足取りを追うという形式を取っておりました。


雅子さんは顔立ちの整った上品な個性のモデルさんで、キャリア30年、雑誌のファッショングラビアやCM等で活躍し、映画にも出演されました。
気品の高いプロ意識を持ち、同時期にお仕事でご一緒された写真家、モデル、映像作品で競演された映像監督や俳優、その他大勢の方々から慕われてお出ででした。



雅子さん 写真

多くの関係者の方々が、生前の思い出を語ってくださいました。
非情にプロ意識が高く、透き通る様な自然の存在感を持たれていたそうです。
雑誌のグラビアモデルという、一見派手そうで目立たない存在のお仕事を続けられて、多くのキャリアと実績を積み重ねて参りました。

嫁さんが以前お世話になった朗読の先生が、ファッションショーのプロデュースも兼ねてお出でで、その時にモデルの雅子さんの舞台にお目にかかったそうです。
僕は失礼ながら、雅子さんの存在は存じませんでした。
しかし、今回の記録映画で判ったのですが、以前、僕が観ました映画「ガラスの脳」(原作・手塚治虫 2000年 日活)に出演されていた事を知りました。
主人公である少女の母親役で、映画の冒頭場面で、山中の岩場に飛行事故で亡くなった人達の中におられました。
人工着色を思わせる色合いで、物語始まりの時代感覚(昭和20年代末)を感じさせて印象深い場面でした。



雅子さん 服

その雅子さんも、難病である悪性の癌に罹り、片方の肺を摘出されるという大手術を行いました。
ご主人の大岡大介さんの懸命の看病と多くの方々のご支援もありまして、一時は体調回復して仕事復帰されたにもかかわらず、再び病に倒れて帰らぬ人となりました。
享年50歳、まだまだこれから新たな道を歩んで行こうとされた矢先でした。

雅子さんが亡くなられた後、遺品を整理していた大岡さんは、残された膨大な量のグラビアや映像等を前に、彼女の生前の足跡を辿る旅に出ました。
多くの関係者の方々は、雅子さんとの素敵な想い出を語ってくださいました。
その記録を残そうと、今回の映画公開に及んだ訳でした。



雅子さん 絵葉書

愛する奥様の人生を辿る旅の記録、そこに人の持つ永遠の存在を見出しました。
生きて来た時に係わった多くの人達の中に、思いは生き続けているものなのです。
50年という限られた時間ではありましたけれども、精一杯前向きに生きてきた雅子さんの姿が偲ばれました。

沢山の方々のお話と記録画像に、僕も自分のこれからの生き方を考えさせられました。



雅子さん 容器
雅子さん カバン


画像は、上映会場表に展示されておりました、映画ポスターとパネル写真。
雅子さんご愛用の遺品の数々です。





先日、話題の映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を、嫁さんと一緒に観て参りました。

今現在の段階では、これから観に行かれる方々もいらっしゃるでしょうから、極力ネタばれなしで、自分の感想をランダムに述べさせていただきます。





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まず全体の印象からですが、大変面白く見応えのある映画でした。


怪獣同士の戦いと、怪獣と人類との攻防戦が、凄まじい迫力で描かれていました。
これは是非とも劇場の大スクリーンで観るべきです。
あの実体験は映画館でしか味わえません。
巨大な怪獣の破壊とバトルシーンは、大スクリーンで体感されてください。



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描かれた怪獣のイメージが見事です。


アメリカ風にアレンジされた姿には、当初不安も感じていたのですけれども、実際に動いている場面を観ると、そんな思い込みの心配は吹き飛びます。
本家ゴジラの着ぐるみに対するCG表現ですが、これは怪獣という題材を描く上での方法の違いに過ぎません。
迫力と存在感は同等です。
今回のゴジラ映画は、怪獣の持つ底力を存分に見せてくれています。



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人間ドラマのゴチャゴチャした関係は、あまり判らなくとも、それ程気にする必用はございません。


怪獣シーンが最高の面白さであり、ドラマ部分は多少判らなくとも問題ありません。
映画が気に入って再度観た時に、人物関係を追っていけばよいと思います。
何よりも、特撮を駆使して描かれました怪獣場面が最大の見せ場です。



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今迄の、昭和及び平成のゴジラ映画のエッセンスが、到る場面に見られます。


これは作り手側が、いかにゴジラ及び怪獣映画を愛しているかが判ります。
あの場面と設定は、あの映画からイメージされている!と感じさせる箇所がいくつも登場します。
そこを探し出すのも、この映画の楽しみ方のひとつでしょう。



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何よりも感動しましたのが、映画のラストのエンドロールです。


耳に馴染んだ伊福部昭氏の音楽が流れまして、スタッフ及びキャスト、制作協力の面々の名前が流れます。
そして最後に紹介されるのは・・・・・これは感涙ものです!
全ゴジラファンが感激して泣いてしまう事でしょう!
これ程ゴジラを理解しているとは、これは地球規模の怪獣愛です!



僕の嫁さんも初めはあんまり乗り気ではありませんでしたが、一緒に観ておりまして、大変面白かったと絶賛評価でした。
ネタばれなしの個人感想を長々と書きましたが、この迫力と感激を、是非とも映画館で楽しんでください。

ゴジラが皆さんを待っています!




話題の映画「ボヘミアン・ラプソディ」を、12月に入ったばかりの先日の日曜日に、嫁さんと一緒に観て参りました。

場所は有楽町のTOHOシネマズ日比谷で、前に竹内まりやシアターライブを鑑賞した所です。
奇しくも、音楽関連の映像作品を続けて観た事になります。



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座席指定をネットで予約して、夕方6時半の回に行きました。
劇場に到着しました時には、既にチケットは完売状態で、場内は満席でした。

噂には聞いておりましたけれども、物凄い人の入りで、それだけ人気と評判の高さが伺えました。



イギリスのロックバンド Queen(クイーン)のボーカリスト フレディ・マーキュリーの生涯を描いた物語です。

僕は恥ずかしながらQueenに関しましては全く無知なものでして、歌を聴いた事もございませんでした。
映画を観るに当たりまして、少しは情報を仕入れて来ようかとも思いましたが、あえてそれはせずに何も知らないままで映画鑑賞に臨みました。
Queenを知らず興味も無い自分を、どれだけ物語の中に引き込める事が出来るだろうかという事に、興味を持ったからです。


結果としましては、Queenやロックバンドを知らない人でも充分楽しめる内容になっていました。
実際、僕も話の流れを追って楽しむ事が出来ました。



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以下、多少のネタばれが含まれます事をご了承願います。


早くから音楽の才能に目覚めたフレディは、出会った仲間達と共に、バンドQueenを結成して大成功を収めます。
しかし、その影には人間関係をはじめ、様々な葛藤がありました。
自身の同性愛という障害を抱えて、やがて恋人とも別れてグループからも脱退します。
それでも最後は、バンド仲間は家族だという気持ちと共に仲間の元に戻り、メンバーとの結束を高めて一大コンサートに臨みます。



クライマックスの巨大会場での演奏場面、ラスト21分のコンサートは、大勢の観客達で広い会場全部が埋め尽くされ、奏でられる数々の曲にスクリーン内外問わず一体化して盛り上がりました。

役者さん達は皆Queenのメンバーに成りきり、演奏曲も合わせて熱演しておりました。
その熱さが観ている方にも伝わって来ました。
世間での評価も多くの世代の人達から絶賛され、上映開始以降も多数の観覧者数を伸ばし続けています。
それだけ人の心を動かす、素晴らしい映画なのでしょう。



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僕個人の感想なのですけれども、映画を観ている時間は充分に楽しめましたし、物語の持つ熱意は伝わって来ました。

個人的には、ラストのコンサート会場の大盛り上がりのクライマックス場面よりも、仲間から離れていったフレディが、再び皆の元に戻って来て詫びる場面に、心が惹かれました。
自己の傷心から一端は離脱したメンバーを前にして、恥も外聞もプライドも捨てて詫びる姿には共感を得るものがありました。

僕も、自分がお世話になっておきながらも迷惑をかけて疎遠になってしまっている人達に、改めて詫びに行こうという気持ちになりました。


また、フレディの家に飼われている猫達が可愛く、恋人である彼女と一緒にくつろいでいる描写が面白かったです。
それと、鶏まで居るレコーディング時の農村小屋風景にも、ここから歴史が始まるんだという意外性を感じました。


しかし、世間で多くの人達が絶賛している様な感激は、僕は感じませんでした。

「魂が震える程感動した!」とか「最後は相当泣けます。」とか、知人達の間でも絶賛意見が多いのですけれども、残念ながら僕にはその様な感激は得られず、ただ普通に映画を楽しんで観ていたというのが正直な感想です。
劇中何度かかかっていた曲も、耳に馴染んでいたのは2曲程度でした。

これは僕自身がQueenやロックバンドに興味が持てず、普通の物語として捉えていたからではないかと思いました。
自分にとりまして何も拘りが無い分、率直に受け入れられたと同時に、深く入り込む事が出来なかったのでしょう。


いずれにせよ、この映画に感激して大切なものを得られた方々には、申し訳ない感じの感想になってしまいました。
僕自体、映画は観ている時間を楽しむ事が大事だと思っておりますので、そういう意味では見応えのある映画である事は確かでした。

嫁さんは昔からのQueenのファンですので、僕よりも深く的確な意見と感想を持っていました。



映画を観終わって、夜の日比谷の街並みを、嫁さんと一緒に東京駅まで歩いて行きました。
途中、クリスマスシーズンのいろいろなオブジェを見ました。
また面白い映画を、一緒に楽しく観に行こうと思いました。


以上、「ボヘミアン・ラプソディ」の感想でした。

(文中 敬称略)




先のブログでもお伝えしました通り、先日嫁さんと一緒に、歌手の竹内まりやさんのデビュー40周年記念映画を観に行って参りました。

「souvenir the movie MARIYA TAKEUCHI Theater live 2018」




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竹内まりやさんの音楽活動40周年を記念しまして、過去のライブ映像を劇場公開用に編集しました映画が、現在公開中です。
2018年11月23日(金)~12月7日(金)までの間の、期間限定上映です。

僕と嫁さんは、有楽町のTOHOシネマズ日比谷で、夜の9時過ぎからの上映で観ました。
公開初日の晩で、観客もそこそこの人数入りでした。


2000年、2010年、2014年の3回に渡るライブの様子を編集して、ひとつの映像として、まるで実際のライブ公演の様に仕立てたものです。
映画が始まると共に流れる音響効果の臨場感、まさにライブ会場に来ているかの様な雰囲気に呑み込まれます。

のっけから山下達郎さんのベース演奏の姿が映し出され、多くの演奏者達によって奏でられる音楽に乗って、元気よく竹内まりやさんが登場します。
竹内さんの明るい歌声が、スクリーンを通して披露され、映画館いっぱいに響き渡ります。


曲目は以下の順番の通りです。
時折竹内さん及び関係者の貴重なトークが入り、かつて在住していた海外の仕事関連の場所や、音源録音の部屋等の映像が映し出されます。


「アンフィシアターの夜」(1992)

「家に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)」(1984)

「Forever Friends」(1992)

「マージービートで唄わせて」(1984)

「五線紙」(1980)

「静かな伝説(レジェンド)」(2014)

「元気を出して」(1984)

「カムフラージュ」(1998)

「ウイスキーが、お好きでしょ」(1990)

「人生の扉」(2007)

「プラスティック・ラブ」(1984)

「駅」(1984)

「リンダ」(1980)

「不思議なピーチパイ」(1980)

「SEPTEMBER」(1980)

「J-boy」(1979)

「LET IT BE MY」(2016 カバー曲)

「いのちの歌」(2008)



全てが伸び伸びとした声で歌い上げて、スクリーンを通じてのライブを堪能しました。

竹内まりやさんの歌声も素敵ですけれども、山下達郎さん始め彼女のバックで演奏している人達の様子も、多方面の角度から映されていて、ベース、ギター、サックス、ピアノ、バックコーラスと、出演者全員が主役扱いの様な感じでした。
全員でステージを盛り上げているのだと思うと、ライブ公演の舞台に映画製作にも通じる創造性を見出しました。

また、歌の一曲一曲が夫々ひとつの物語であり、その全てが見せ場であって、気の抜けない名場面の連続でもありました。
「人生の扉」では青空の映像をバックに壮大なイメージで演出されて、僕は心底感激してしまいました。

山下達郎さんとの夫婦デュエットも素晴らしく、40周年を迎えて、ファンの皆さんと共にこれからも音楽の道を歩んでいこうという、強い意思が感じられました。
映画の最後の幕引きも、ライブ終了を表す素敵な演目でした。




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映画全編を通じまして、実際のライブを見ているかの様な雰囲気でした。
僕も嫁さんも大感激しまして、嫁さんは途中で涙が出そうになったと言っておりました。
そう、これはシアターライブなのです。
映像を通じましてのライブ体験なのです。

竹内まりやさんの今まで歩んで来ました道程と、これからの前進にエールを送らせていただきます。
素晴らしい音楽体験を有り難うございます!




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